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なぜ氷は水にうくの?
答えは「氷はスカスカのジャングルジムだから」

水にうかぶ氷の中に六角形のジャングルジム。その上にとうふ博士

ジュースに入れた氷は、ぷかぷか うかぶ。あたりまえに見えるけど、じつはこれ、とってもめずらしいことなんだ。ふつうは、固まったものは しずむはずなのに。

とうふ博士

まじめに説明しよう。
氷は、スカスカのジャングルジムである。

30秒でわかる こたえ
  1. ふつう、ものは固まると ちぢんで、液体の中で しずむ
  2. 水は反対。凍ると水のつぶが 六角形のジャングルジムをつくり、すきまだらけになる
  3. 同じ大きさなら 氷のほうが軽い → だから水にうく

1ふつうは、固まると しずむ

ほとんどのものは、液体から固体になるとき、つぶとつぶが ぎゅっと近づいて ちぢむ。だから、同じものの液体の中に入れると、固体は しずんでしまう。

たとえば、ろうそくの「ろう」。とかしたろうに、ろうのかたまりを入れると、ちゃんと しずむんだ。

とけたろうにろうのかたまりが沈み、水には氷がうく図
ろうのかたまりは しずむのに、氷は うく。なぜ?

2水は反対。凍ると ふえる

ところが水は、凍ると体積が約1割(約9%)ふえる。コップのふちまで水を入れて凍らせると、氷がふちより もりあがるんだ。

寒い地方では、冬に水道管の中の水が凍って ふくらみ、管が破裂してしまうこともある。それくらい、水が凍るときの「ふくらむ力」は強い。

ふちまで水を入れたコップを凍らせると、氷がもりあがる図
凍らせると、ふちより もりあがる

3氷の正体は「六角形のジャングルジム」

水は、目に見えないほど小さな「水のつぶ」が集まってできている。液体の水の中では、つぶたちは ぎゅうぎゅうに集まって、ごちゃごちゃ動き回っている。

ところが凍るとき、水のつぶは となりのつぶと手をつないで、きれいな六角形のジャングルジムを組み立てる。ジャングルジムは、すきまだらけだよね。だから氷は、同じ数のつぶでも、水よりスカスカで大きくなるんだ。

水のつぶが手をつないで六角形にならんだ氷の構造の図
氷の中の水のつぶ。六角形のジャングルジムで、すきまだらけ

ちなみに、雪の結晶が六角形なのも、このジャングルジムが六角形だからなんだよ。

4同じ大きさなら、氷のほうが軽い

同じ大きさの「水」と「氷」を てんびんにのせると、水のほうが重い。氷の重さは、同じ大きさの水の約0.92倍。水より軽いから、氷は水にうくんだ。

同じ大きさの水と氷をてんびんにのせると水のほうに傾く図
同じ大きさなら、水のほうが重い

5でも、水の上に出るのは「約1割」だけ

氷は水より軽いけれど、その差は ほんの少し。だから、水の上に顔を出すのは全体の約1割だけで、残りの約9割は水の中に しずんでいる。

海にうかぶ巨大な氷山も同じ。見えているのは ほんの先っぽで、水の中には何倍もの大きさの本体がかくれている。「氷山の一角」という言葉は、ここから来ているんだ。

氷山の断面。水の上は約1割、水の中に約9割
見えているのは約1割。とうふ博士は気にせず乗っている

6氷がうくおかげで、魚は冬を越せる

もし氷が水にしずむ世界だったら、冬の湖は底から どんどん凍ってしまい、魚のすむ場所がなくなってしまうかもしれない。

本当の世界では、氷は水面にうかんでフタになる。フタの下の水は冷えにくく、湖の底のほうは4℃くらいにたもたれる。だから魚たちは、氷の下で冬を越せるんだ。

湖の断面。氷が上でフタになり、その下で魚が泳いでいる図
氷のフタの下で、魚は元気に冬を越す
おうちで実験

コップの氷、もりあがるかな?

用意するもの

  • プラスチックのコップ(かたくて透明なもの)
  • 水、油性ペン
  • 冷凍庫

やりかた

  1. コップに水を入れて、水面の高さに油性ペンで線を引く。
  2. コップを冷凍庫に まっすぐ置いて、一晩待つ。
  3. 次の日、氷の表面が線より上に来ているか見てみよう。真ん中が ぽこっと もりあがっていることもあるよ。

おまけ実験:透明なコップに水を入れて氷をうかべ、横から見てみよう。水の上に出ている部分と、しずんでいる部分は、どれくらいの割合かな?

⚠️ ガラスのビンやコップは、凍ると割れることがあるので使わないでね。炭酸飲料や、ふたをしたビンも凍らせてはいけません。
親子で プチクイズ

Q1. 水が「同じ大きさで いちばん重くなる」のは何℃?

こたえを見る

約4℃。水は4℃くらいでいちばんぎゅっとつまり、それより冷たくなると、少しずつジャングルジムをつくりはじめて軽くなる。だから冬の湖の底は4℃くらいになるんだ。

Q2. 水のほかに、固まると液体にうく(軽くなる)ものはある?

こたえを見る

ある。ケイ素(シリコン)やガリウム、ビスマスなど、ほんの一部だけ。水は、かなり「変わり者」なんだ。

Q3. 雪の結晶は、何角形のものが多い?

こたえを見る

六角形。氷のジャングルジムが六角形だから、そこから育つ雪の結晶も六角形になるんだ。

動画でみる(約1分)
ショート動画「なぜ氷は水にうく?」の表紙

とうふ博士が ショート動画で 説明するよ

おうちの方へ:もう少し本格的な解説

氷の密度は約0.917 g/cm³、水の密度は約1.00 g/cm³(4℃付近で最大)です。凍ると体積が約9%増えるのはこの差によります。

水分子(H2O)は、となりの分子と水素結合を作ります。氷の中では、1つの分子がまわりの4つの分子と正四面体の向きに水素結合し、すき間の多い六方晶の構造(氷Ih)を作ります。液体では水素結合が絶えず切れたりつながったりするため、分子がより密に詰まることができます。記事の「手をつなぐ」は、この水素結合のたとえです。

水の密度は約4℃で最大になるため、冬の湖では4℃前後の重い水が底にたまり、表面から凍ります。氷の層は断熱材の役割も果たし、下の水が凍りにくくなります。

海に浮かぶ氷山の場合、海水の密度(約1.025 g/cm³)との比から、水面下にある部分は約9割(0.917÷1.025≒0.89)と計算できます。

声かけのヒント:「ろうそくのろうは しずむのに、なんで氷は うくんだろう?」と、ふつうとちがうことに気づかせると、水の特別さが印象に残ります。

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氷や水の話は、キッチンでそのまま実験できるのが魅力です。冷凍庫ひとつで、自由研究にもなるテーマがたくさんあります。

「ジャングルジムの六角形を見てみたい」と思ったら、冬の雪の結晶観察がいちばんの近道。ルーペが1つあるだけで、空から降ってくる六角形に出会えます。

ルーペ(虫めがね)

選ぶポイント:倍率は5〜10倍くらいが使いやすい。子どもの手に合う軽いものを。

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水・氷・天気の図鑑

選ぶポイント:雪の結晶や氷の写真が大きくのっているもの。

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自由研究向けの実験キット(結晶づくりなど)

選ぶポイント:対象年齢と、まとめ方のガイドがついているかどうか。

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とうふ博士

以上、とうふ博士でした。くずれないうちに帰ります。

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