なぜ氷は水にうくの?
答えは「氷はスカスカのジャングルジムだから」

ジュースに入れた氷は、ぷかぷか うかぶ。あたりまえに見えるけど、じつはこれ、とってもめずらしいことなんだ。ふつうは、固まったものは しずむはずなのに。
まじめに説明しよう。
氷は、スカスカのジャングルジムである。
- ふつう、ものは固まると ちぢんで、液体の中で しずむ
- 水は反対。凍ると水のつぶが 六角形のジャングルジムをつくり、すきまだらけになる
- 同じ大きさなら 氷のほうが軽い → だから水にうく
1ふつうは、固まると しずむ
ほとんどのものは、液体から固体になるとき、つぶとつぶが ぎゅっと近づいて ちぢむ。だから、同じものの液体の中に入れると、固体は しずんでしまう。
たとえば、ろうそくの「ろう」。とかしたろうに、ろうのかたまりを入れると、ちゃんと しずむんだ。

2水は反対。凍ると ふえる
ところが水は、凍ると体積が約1割(約9%)ふえる。コップのふちまで水を入れて凍らせると、氷がふちより もりあがるんだ。
寒い地方では、冬に水道管の中の水が凍って ふくらみ、管が破裂してしまうこともある。それくらい、水が凍るときの「ふくらむ力」は強い。

3氷の正体は「六角形のジャングルジム」
水は、目に見えないほど小さな「水のつぶ」が集まってできている。液体の水の中では、つぶたちは ぎゅうぎゅうに集まって、ごちゃごちゃ動き回っている。
ところが凍るとき、水のつぶは となりのつぶと手をつないで、きれいな六角形のジャングルジムを組み立てる。ジャングルジムは、すきまだらけだよね。だから氷は、同じ数のつぶでも、水よりスカスカで大きくなるんだ。

ちなみに、雪の結晶が六角形なのも、このジャングルジムが六角形だからなんだよ。
4同じ大きさなら、氷のほうが軽い
同じ大きさの「水」と「氷」を てんびんにのせると、水のほうが重い。氷の重さは、同じ大きさの水の約0.92倍。水より軽いから、氷は水にうくんだ。

5でも、水の上に出るのは「約1割」だけ
氷は水より軽いけれど、その差は ほんの少し。だから、水の上に顔を出すのは全体の約1割だけで、残りの約9割は水の中に しずんでいる。
海にうかぶ巨大な氷山も同じ。見えているのは ほんの先っぽで、水の中には何倍もの大きさの本体がかくれている。「氷山の一角」という言葉は、ここから来ているんだ。

6氷がうくおかげで、魚は冬を越せる
もし氷が水にしずむ世界だったら、冬の湖は底から どんどん凍ってしまい、魚のすむ場所がなくなってしまうかもしれない。
本当の世界では、氷は水面にうかんでフタになる。フタの下の水は冷えにくく、湖の底のほうは4℃くらいにたもたれる。だから魚たちは、氷の下で冬を越せるんだ。

コップの氷、もりあがるかな?
用意するもの
- プラスチックのコップ(かたくて透明なもの)
- 水、油性ペン
- 冷凍庫
やりかた
- コップに水を入れて、水面の高さに油性ペンで線を引く。
- コップを冷凍庫に まっすぐ置いて、一晩待つ。
- 次の日、氷の表面が線より上に来ているか見てみよう。真ん中が ぽこっと もりあがっていることもあるよ。
おまけ実験:透明なコップに水を入れて氷をうかべ、横から見てみよう。水の上に出ている部分と、しずんでいる部分は、どれくらいの割合かな?
Q1. 水が「同じ大きさで いちばん重くなる」のは何℃?
こたえを見る
約4℃。水は4℃くらいでいちばんぎゅっとつまり、それより冷たくなると、少しずつジャングルジムをつくりはじめて軽くなる。だから冬の湖の底は4℃くらいになるんだ。
Q2. 水のほかに、固まると液体にうく(軽くなる)ものはある?
こたえを見る
ある。ケイ素(シリコン)やガリウム、ビスマスなど、ほんの一部だけ。水は、かなり「変わり者」なんだ。
Q3. 雪の結晶は、何角形のものが多い?
こたえを見る
六角形。氷のジャングルジムが六角形だから、そこから育つ雪の結晶も六角形になるんだ。
とうふ博士が ショート動画で 説明するよ
氷の密度は約0.917 g/cm³、水の密度は約1.00 g/cm³(4℃付近で最大)です。凍ると体積が約9%増えるのはこの差によります。
水分子(H2O)は、となりの分子と水素結合を作ります。氷の中では、1つの分子がまわりの4つの分子と正四面体の向きに水素結合し、すき間の多い六方晶の構造(氷Ih)を作ります。液体では水素結合が絶えず切れたりつながったりするため、分子がより密に詰まることができます。記事の「手をつなぐ」は、この水素結合のたとえです。
水の密度は約4℃で最大になるため、冬の湖では4℃前後の重い水が底にたまり、表面から凍ります。氷の層は断熱材の役割も果たし、下の水が凍りにくくなります。
海に浮かぶ氷山の場合、海水の密度(約1.025 g/cm³)との比から、水面下にある部分は約9割(0.917÷1.025≒0.89)と計算できます。
声かけのヒント:「ろうそくのろうは しずむのに、なんで氷は うくんだろう?」と、ふつうとちがうことに気づかせると、水の特別さが印象に残ります。
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氷や水の話は、キッチンでそのまま実験できるのが魅力です。冷凍庫ひとつで、自由研究にもなるテーマがたくさんあります。
「ジャングルジムの六角形を見てみたい」と思ったら、冬の雪の結晶観察がいちばんの近道。ルーペが1つあるだけで、空から降ってくる六角形に出会えます。
選ぶポイント:倍率は5〜10倍くらいが使いやすい。子どもの手に合う軽いものを。
商品をみる(準備中)選ぶポイント:雪の結晶や氷の写真が大きくのっているもの。
商品をみる(準備中)選ぶポイント:対象年齢と、まとめ方のガイドがついているかどうか。
商品をみる(準備中)以上、とうふ博士でした。くずれないうちに帰ります。

